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2010.11.03

志摩の魅力と憂い

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そろそろ京都の寒さが気になる季節になってきた。大好きな京都だが、夏は蒸し暑く、冬は底冷えするこの内陸性の盆地気候だけは苦手だ。タイ・プーケットがとても恋しい。

そんな身体のセンサーが旅情を誘い、黒潮の流れる志摩半島をふらっと旅してきた。初日は車中泊、二日目はゲストハウス泊という、行き当たりばったりでなんとかなるだろうの放浪旅である。

志摩半島は思ったより近かった。新名神、伊勢道、紀勢道などこのあたりは高速道路がどんどん整備されていて、京都からだと3時間半ほどで行けた。太平洋を目指すなら、和歌山に出るよりも三重に出る方が早いというのは意外な発見だった。

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リアス式海岸がつくる景観は最高だった。また、この界隈は国立公園に指定されているせいか自然景観もよく残っていて、森林浴も気持ち良かった。

ただ、残念だった点が2つあった。まず、リゾート開発の歴史が感じられ、しかもそれがうまくいってない点である。志摩半島を横断するバイパス道路は立派だが、車通りはほとんどなかった。喫茶店は何十年も前に閉店したまま放置されたようなのがいくつもあり、しかもそぐわないアメリカンな店構えが痛々しい。昼食を食べる場所を探すのも苦労するほど店が開いていないのに、国道沿いにはコンビニとパチンコ屋と福祉施設と葬儀施設だけはやたらとある。

もう一つは、伝統的な地域の景観が消えかけている点だ。漁村集落に建つ民家は、もはや新興住宅地の住宅と大差ない。以下の瓦を積み上げたような塀はとても興味深かったのだが、このように伝統的なデザインを踏襲した家屋は10軒に1軒もなかった。

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自然景観は素晴らしい。漁業に代表される地域文化も魅力的だ。だがその上にリゾート施設をのせようとして失敗し、地域景観の魅力も失われつつある。第一次産業の衰退、そして過疎化。日本の地方都市のどこもが抱えている大きな時代の流れを前にして、良い解決策は見つかっていないようだった。

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