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2010.02.26

街にベンチを

Yataishokudo

タイに行くといつも思うのは、人が街に出てきていることだ。
朝も昼も夜も、タイ人の多くは屋台とかオープンエアの食堂とか、
人目のあるところでご飯を食べている。

Bench

民家の前にはよく上の写真のようなベンチが置いてあって、家の人はもちろん、
ご近所の人、ちょっと立ち寄った取引先の人、客待ちのタクシー運転手などが
のんびりとくつろいでいる。夜はよくおっちゃん達が酒盛りをやっている。

ショッピングに行っても、そこら中にベンチやらフードコートやらがあって、
街の中で休憩できる。

Bench2

日本で例えるならば大学のキャンパス内のベンチが街中にあるような感じで、 タイでの生活は、無理をせず自然と、一日に何十人もの人とすれ違う生活スタイルになっている。

さて、それに比べると、日本での生活は孤立的だ。 食事は家だし、買い物で歩き疲れても、喫茶店やレストランは 普通は室内にあって、街を行き来する人たちとお互いに 顔が見える場所にはない。ベンチで休もうにも、街にはベンチが少ない。


やや誇張して言うならば、日本の街中には座る場所がない。
そのため、人が街に行くときには目的をもってうろついて、用が終わると
すぐに家に帰る。街の中に滞在する時間は短い。

これに対してタイの場合は、屋台とかベンチとか食堂とか街の中に座る場所が
いたるところにあって、用もなくだらだらと街の中にいられる。
だから街の中に滞在する時間が長い。

そして街に長くいればなじみの顔ともすれ違うし、自然とコミュニケーション
が生まれ、人と人とのネットワークができる。このネットワークは
日本では考えられないほど濃く、重層的で、タイ社会の一つの特徴と言えると思う。

タイで会社をやっている日本人が以前、タイ人への求人は、広告を出すよりも口コミの方がよっぽど効果的だと話していたが、それもこうした重層的ネットワークの一つの表れだろう。


ところで、日本の街が抱える問題の一つに、人々の孤立化がある。
この対策として、タイから学べないだろうか。

つまり、街中にベンチを置きまくり、人々の居場所をつくるのだ。
目抜き通りにはオープンカフェや屋台をつくりまくるのだ。
ご老人は日向ぼっこに来て世間話をする。会社員は会社帰りに
ちょっとくつろぐ。主婦たちは買い物ついでに立ち話ならぬ座り話をする。
子供たちは街の中で遊んだり宿題をしたりする。
店の中という閉鎖空間じゃなくて、街の中に、 通りゆく人々の顔が
見えるところにくつろぎ空間をつくるのだ。

たぶん昔の日本の街も、街が車に占拠される前は、 わりとそういう街だったと思うのだ。

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コメント

こんばんは!久しぶりに覗きに来ました。・・・というのんびりした挨拶は置いといて。

タイ王国、えらいことになってるがな!!

大丈夫か!?

帰国してるかー??coldsweats02

投稿: K.F | 2010.05.03 22:13

ブログ拝見させてもらいました!とても素晴らしいですね♪
イメージしてたタイと全然違います。。
旅行する機会があればいいんですけど(^^ゞ
これからも更新楽しみにさせて貰います

投稿: 宗教 | 2010.07.26 17:48

「街にベンチを」に共感し、コメントさせて頂きます。
私は日本の田舎に住んでいますが、
最近、よく街なかを歩く機会があり、
私は体力が無いので、
「ちょっと一休みしたい」と思うのですが、
行く先々、座る場所がなくて本当困ります。
中心市街地の衰退が言われて久しい昨今ですが、
歩く人達の立場に立って、
こういう何気ない気遣いから始めてほしいと思います。
最後に、素敵な写真を見て、
タイに行ってみたくなりました。

投稿: 通りすがり | 2010.08.25 15:59

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