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2008.04.07

ギボンという「サル」

Gibbon0_2最初にギボンという動物の存在を知ったのは数年前、パトンビーチをふらついていた時にたまたま知り合ったオーストラリア人の言葉だった。

「我々はここにしっぽがないサルの取材に来てるんだよ」

なんじゃそりゃ? サルには普通しっぽがあるもんだろ、とその時は信じていなかったのだが、ギボンという名称だけは一応頭にインプットされた。

その後何かの折にネットで調べてみたが、「ギボン」ではぜんぜんヒットしなかった。英語の「Gibbon」で調べるとそれなりにヒットするものの、写真も少ないし、生物学の英単語は難しくてぜんぜんわからない。それで、まあそういう珍しいサルがいるんだな、日本では無名だけど、くらいに考えていた。

その積年のもやもやが、晴れるときがきた。ここプーケットにあるギボンのリハビリテーションセンターが一般人の見学も受け付けているというのだ。それなら、と早速行ってみた。

Gibbon1

Gibbon2

Gibbon3

ギボンの特徴は、まず顔の輪郭を描くように毛が白くなっていること。手首から先と足首から先も白い。体毛は黒、茶、グレーなど何種かあるようだ。

次に、手がとにかく長くて太いこと。だらりと手を下に伸ばしたときの長さは足先まで届くくらいだ。この太い腕を使って木から木へと移動する。今日もうんてい遊び・鉄棒遊びを活発にしていた。オランウータンの動きに共通するものがある。

それから、どこからこんな大きな声が出るんだかと驚くほどの大声で、ホーォ!、ホーォ!と吠えていた。これがとても美しいソプラノで、歌を歌っているように聞こえる。ペアで歌ったりする様はまるでオペラでも聞いているかのようだった。

ギボンはタイ語ではチャニーというらしい。

そして、確かに尻尾はない。

園内に、霊長類の系統図上の位置づけが図示されていた。

Gibbon4

右から5番目にギボンが見える。

わかった! このギボンは、日本では「テナガザル」と呼ばれているものと同じだ! どうりでギボンで検索でヒットしないわけだ。なんだかとってもすっきりした。

しかし、テナガ「サル」とは呼ぶものの、こいつは生物分類学上は狭義の意味でサルじゃない。オランウータンやゴリラやチンパンジーや人間などと同じくヒト上科に属するのだ。サルよりは知能も良いと思われる。このカテゴリに属するならしっぽがないのも納得だ。

でも、それなのになんでテナガ「サル」という名前なんだ? 想像するに、ギボンは古くから愛玩動物として飼われていて、中国では水墨画の題材にもなっていたというので、おそらくは日本にも分類学が発達する以前から伝わっていたのだろう。そして確かに見た目はサルにも見えるし、手が長いから「テナガザル」、とまあこんなところだろうか。

檻の中で飼われていたものの、愛嬌たっぷりにオリンピックの体操の種目の吊り輪のようなパフォーマンスをたくさん見せてくれた。目がくりくりしていて可愛らしく、顔の輪郭と手足だけ白い毛並みもきれいだった。

【便利サイト】 世界の霊長類
http://www.pri.kyoto-u.ac.jp/PRI-QandA/BKeitouju.html

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