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2007年12月の記事

2007.12.24

続・プーケットのゴミ事情

Kaya

先日プーケットでもゴミの分別が始まったと書いたが、これがその証拠。プーケット国際空港内に設置されたゴミ箱だ。撮影は2007年12月21日。

「カヤピアック」と「カヤヘン」の二種類のゴミ箱がある。運営側の意図としては、土に返せる有機ゴミ(カヤピアック)と、焼却炉で燃やすゴミ(カヤヘン)に分けて収集することで、少しでもゴミを減らしたいのだろう。

ところが、中に入っているゴミは見ての通り。ぜんぜん分別になっていない。そもそも英語の「WET」と「DRY」って何だ? 濡れたゴミと乾いたゴミをなぜ分けるんだ? 飲み残しのジュースパックは水分があるからWETかな、でも燃えるからDRYかな??? またタイ人が意味不明な英語を使ってるな、そう思った。

ところがこれは私の無知だった。英語の「WET GARBAGE」には、台所やお風呂場から出た濡れたゴミ→有機ゴミという意味がどうもあるらしい。「DRY GARBAGE」は紙くずなどの意味。新しい用例みたいだ。「BIODEGRADABLE」と「BURNABLE」と書いてくれればわかりやすいのだが。おそらくタイ語の「カヤピアック」(濡れたゴミ)、「カヤヘン」(乾いたゴミ)も、この直訳だろう。

この用語が一般にどれだけ理解されているかは、ゴミ箱の中身を見れば一目瞭然だろう。それにこの分別、ペットボトルや缶はどうすればいいんだろう? 

また、どのタイ人に聞いてもゴミの分別などしたことがないし、しているのも見たことがないという。インフラ面でも認識面でもまだまだなのが現実だ。

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2007.12.21

トントントン タイ語の難しさ

Dohdeck_2タイ語には同音異義語があまりにも多くて困っている。そのいい例が、「カオ」であり「トン」だ。「トン」で説明してみよう。

今、真っ直ぐな、木、しなければならない、~に(時間帯)、お腹、旗。これらの7つの単語は全てタイ語で「トン」という。いや、正確にいうと全て違う音で、同音異義語ではないのだが、日本語を母語とする私の耳にはほとんど同じに聞こえるのだ。素人ながら考えてみると、その理由は6つもあった。

(1) 有機音「th」(ドーデック)と無気音「t」(トータオ)
(2) 「n」と「ng」
(3) 二つのオ音
(4) 長母音「oo」と短母音「o」
(5) 5つの声調
(6) Trの発音

(1)まずタイ語には、息を吐きながら発生する有気音と、息を吐かずに発生する無気音との区別がある。pとph、tとth、kとkhは違う音なのだ。ここは日本語では区別をしないので、日本語でデジタル化された私の耳には、全て「パ」「タ」「カ」に聞こえる。

(2)次にタイ語では「ン」音は、nとngで区別する。これも日本語にはないので、日本人には両方とも「ン」に聞こえる。この点、アメリカ人が話す英語のように、はっきりとng音を発音してくれればまだ良いのだが(例えばHong KongとHon Konは明らかに違う)、タイ語ではそれほど強く区別はしないので、とても聞き取りにくい。

(3)タイ語には唇の先から出す「オ」と、のどの奥から出す「オ」の、二つの「オ」音ある。これも日本語でデジタル化された私にはどちらも「オ」であって、区別も難しい。

(4)上記の2つにはそれぞれ長母音の「オー」と短母音の「オ」があるが、これも素人には難しい。

(5)タイ語にはフラット、ロー、フォーリング、ハイ、ライジングの5つの声調があり、声調が違えば違う意味になる。

(6)子音の後に来るrはほぼ発音しないという法則があり、例えば英単語のshrineはシャインに、centralはセンタンに聞こえる。trongという音は、tongに限りなく近い。

先ほどの7つの単語をローマ字で書くと、それぞれ、toon, trong, ton, tong, toon, thoong, thong となるのだが(これでもオ音の区別と声調は表せていない)、上記の理由から、私の耳にはすべて「トン」に聞こえるのだ。雰囲気は伝わっただろうか。

実は、日常的にそれほど使う単語ではないので書いていないだけで、「トン」はこれら以外にももっとある。考えてみれば、トの音にtrも合わせて3種、オの音に長母音も合わせて4種、ンの音に2種、声調で5種あるのだから、組み合わせとしてはこれだけで120もあるのだ。さすがに全てに意味があるわけではないが。

聞き取るときにはまだ文脈からどの「トン」かは推測できるのだが、話すときとなると、カタカナでもローマ字でも表示しきれない音を頭にインプットできるわけもなく、絶望的だ。やはりタイ文字を覚えないと、タイ語はなかなか上達しない


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2007.12.20

お釈迦様のアニメ映画

Thelifeofbuddha気になっていたアニメ映画、「プラプッタジャオ」を見に行った。英語のサブタイトルは「The Life of Buddha」、その名の通り、ブッダ=お釈迦様の生涯を描いた映画である。ディズニーのような図柄だったので外国製作かと思いきや、今年の12月5日に公開されたばかりのタイ映画だった。

内容は、ブッダが生まれてから入滅するまでをたんたんと描いた、いたってシンプルなものだった。例えるなら、学研の子供向け伝記シリーズのような。深い洞察や意外な展開もなく、やや退屈したが、お釈迦様の生涯を簡単になぞるには良かった。脚本は大蔵経(タイでは「トリピタカ」という)をベースとしたらしい。恥ずかしながら、そういう経典があることを初めて知った。

音声はもちろんタイ語なので、英語字幕を追ってみていた。仏の教えを英語で聞くというのも不思議な気もするが、本質が伝わるように翻訳されているので、意外によくわかったりするものだ。以下にキーワードを挙げてみる。

四諦  the four noble truth
苦  suffering   執着 attachment
八正道  the eightfold path
悟りを開く enlighten, (awaken が使われることもある)
涅槃 nirvana
仏法僧  three jewels (Buddha, Dharma, Sangha )

日本で公開されるかどうかは不明だけど、もし公開されたなら、仏教知らずの仏教徒の日本人は見て損はないと思う。

様々な執着や欲望を訓練で克服することで、苦しみから逃れ心の平穏が得られると説き、その道筋を示してくれるお釈迦様の教えは、とかく金銭欲や出世欲や他人との競争に振り回され苦しむ現代人にとって、生き方の一つのヒントを与えてくれる素晴らしい思想だ。これを抹香臭いものと敬遠されがちなものにしてしまったのは日本の仏教界の責任だと思う。

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2007.12.15

プーケットのゴミ事情

Incine01

プーケットではゴミの分別がない。食べ残し、紙くず、発砲スチロール、空き瓶、缶、電池など、なんでも一緒に捨てる。アパートの前の大きなゴミ箱に入れておくと、パトンエリアでは一日二回ゴミ収集車が集めに来る。紙くずもビール瓶も分類せず捨てることに、最初の頃はえらく罪悪感を覚えたものだ。もう慣れてしまったが。

さて、いったい集められたこのゴミは、この後どう処理されているんだろう? 今日、大学の環境の授業でゴミ処理場見学に行き、長年の疑問が晴れた。

向かった先はプーケットタウンの南側、海沿いの埋立地サパンヒン。大きな競技場や陸軍の訓練所があるエリアだ。それらと川を挟んで、ゴミ処理場と下水処理場が隣り合って並んでいた。ゴミ処理場の敷地は43000平方メートル。

Incineration_system02 ゴミ処理場と一言でいっても何をするところか分かりにくいが、端的にいうと、巨大な焼却炉だ。これに付随して、運んできたゴミを一時的に置いておくエリアがあったり、有機ゴミを土に帰すエリアがあったり、焼却時に出る有害な気体を回収する設備があったり、煙突があったり、燃やす時に出る熱を利用する蒸気発電設備があったりする。サパンヒンのゴミ処理場にもこれらの全てがあった(ただし有機ゴミエリアは土地が足りず一時停止中)。

さて、ゴミ収集車で集められた私のゴミは、ここに来る前にまず分別を専門に行う民間業者のところに運ばれ、ビン、缶などを分別するのだそうだ。そこには行かなかったので詳細わからないので、とりあえずは想像するしかないのだが、ベルトコンベアくらいの簡単な設備で、あとは人力に頼って分別していると思われる。分別後のビンはREUSEはされず、粉砕してガラスリサイクルだろう。缶もまたしかり。

サパンヒンのゴミ処理場に運ばれてくるのは、残りの生ゴミ、燃えるゴミ、プラスチックゴミなどだ。これらは一区画に集められ、青空の下順番を待って、焼却されていく。まだ20代前半と思われる女の子が超巨大なUFOキャッチャーのようなクレーンを操作して、ゴミを次々と焼却炉に入れていた。

Central_control_room01 ゴミの焼却というと気になるのはダイオキシンだ。プラスチック類を低温で燃やしてしまうと猛毒ダイオキシンが発生するという。が、ここの焼却炉は900度の高温で燃やせるので、その心配はない。やるじゃん、と感心していたら、実はこのプラント一式は日本の三菱重工業(&マーチン社)製だった。日本のODAはこんなところにも来ていた。焼却時の熱は発電に使われ、この施設の電気を全てまかなっている。焼却後の灰は道路や埋め立てに使われる。

うまく回っているように見えたのだが、問題も多い。まずは生ゴミなどの有機ゴミだ。これらは燃やすよりも、土に返して自然分解させた方が効率的だが、分別は進んでいないし、埋める土地が不足している。
(※分別に関しては、空港や観光地の一部などで始まってはいる。「カヤ・ピアック」というのがそれで、直訳すると「濡れたゴミ」だが、これは有機ゴミを意味し、カヤ・ピアック専用ゴミ箱というのを空港などで見たことはある。)

次に、このゴミ処理場で処理できる量は、24時間運用で一日250トンなのだが、現在ここに集まってきているのは一日500トンだ。だから残りはというと、青空の下に積み上げられていく。新しい処理場ができるまでは、薬品をかける程度で、放置されるのだそうだ。だが新処理場を作る予算はない。当面はゴミの絶対量を減らす努力をするしかないのだが、プーケットの人口は増え続けている。

ゴミ問題をクリアできた時に、プーケットは本当の意味でリゾート地になる。

[参考] プーケットのゴミ処理施設
http://www.phuketcity.go.th/html/incinerator/pm_inc00_e.html#Mitsu

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2007.12.02

アル・ゴア『不都合な真実』を見る

Algoreinconvinienttruth タイの大学で環境管理という授業を取っている。先週の題材はアル・ゴアの『不都合な真実』。このDVDを2時間かけて見た。

この授業の講師は実にまだ27才。チュラ大を卒業し、カセサート大学院で森林学を専攻し、今年職を得たばかりの新人だ。とても頑張り屋で授業の質が高くて気に入っている。何よりも題材が新しいのが、企業人時代(1999-2004)の空白期間-忙しくて仕事以外にあまり目を向けられなかった-を埋めたい私にぴったりである。

さて内容だが、地球温暖化に関するゴア氏の講演をほぼそのまま収録した形になっていた。ゴア氏は地球温暖化の事実と、それがもたらしている環境への影響を、豊富なデータと映像を使って一つ一つ列挙して、このままではやばい、と警鐘を鳴らす。

1990年と現在との同地点の写真を並べて見ると、世界の氷河や南極の氷が消えているのがよくわかる。この10年で世界中で台風やハリケーンが急増していたデータも驚きだ。データの補足として、地球史や地球のメカニズムなども簡単に説明してくれるので、説得力がある。Algore

そして、CO2の排出規制に大反対しているアメリカの 自動車業界を、アメ車はもはや日本やヨーロッパはもちろん、中国での排出規制にもひっかかり、中国市場でも売れない、と非難し、最後はアメリカ人らしく、我々はやればできる、この問題にも対処できる、締めくくっていた。

真新しい情報は少ないのだが、情報量は多く、よく整理されているし、さすがはアメリカの元副大統領のプレゼンだけあって、写真や映像は素晴らしい。特に教育用教材として秀逸だと思う。私も約2時間の間、集中力を切らすこともなくずっと見入ってしまった。このような講演を世界中で1000回以上もこなしているという同氏の精力的な活動には頭が下がる。

同氏はその後ノーベル平和賞も受賞した。もう時代はここまで切羽詰っている。あらゆる企業の製品と事業、あらゆる人のライフスタイル、あらゆる国の行政が全て、Is it ecologically sustainable or not? 、つまり、その行動が地球に与える負荷が、本来地球が持っている循環作用・自浄作用の範囲内で地球が処理できる負荷量であるかどうかという基準でフィルタリングされなければならない時代になった。

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