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2007年11月の記事

2007.11.30

ロイガトーン祭 in バンプリ

Loykratong1_2 タイ旧暦の12月の満月の日に、タイで全国的に行われるお祭りがある。ロイガトーン祭だ。今年は11月24日がこの日にあたった。

ロイは「浮かぶ」の意味、ガトーンはバナナの幹と葉で作ったボートのこと。このお祭りでは文字通り、バナナの幹を輪切りにした直径15-20cm、厚さ5cmほどのボートにバナナの葉や蘭の花などで飾りつけをして、それにろうそくを立て川に流し、川の精霊に祈る。日本各地での鐘楼流し、灯篭流しとよく似ている。

もともとのルーツはインドのガンジス河の灯篭流しから来ているとも言われるが、完全に土着化して実にタイ的な国民行事になっている。タイ新年のソンクラーン祭(4月)と並んで、タイの二大祭といえるのではないだろうか。

まず、このお祭りの第一の目的は、一年の罪や汚れのリフレッシュだ。ガトーンを川に流すことで、一年間の罪や汚れを水に流して、新しい一年を迎えられると言われている。ガトーンに自分の髪や爪を入れる人も多いらしい。

Loykratong2 そして旧暦の12月というのは、ちょうどタイでは雨季が終わり、稲の刈り取りも終わり、農家が一息つける時期だ。一つの区切りのイベントなのだろう。近年は、素朴なガトーンだけでなく、行政や主催者が準備する電気式の巨大なガトーンや船も登場して川に流している。また、美人コンテストがあったり、子供の出し物があったり、移動遊園地が出現したりもして、誰もが楽しめるお祭りになっている。

なおタイの若い人にとっては、この日を誰と過ごすかがとても重要らしい。日本のクリスマスイブ、あるいは京都の祇園祭の宵山のようなものか。恋人と一緒にガトーンを流して、ずっと一緒に流れていけばこれからも順調、などと占ったりもするとのこと。

さて、そんなロイガトーン祭をどこで楽しむべきか。バンコクのチャオプラヤ河のものは有名だが、派手なものよりも素朴なものを見たかったので、スワンナプーム空港近くのバンプリという田舎町で過ごすことにした。写真はすべてその時のもの。

526_2 満月が空に昇り始めた18時30分過ぎ、人に聞いて会場である川沿いの広場に向かうと、そこには食べ物屋台や洋服の一坪ショップがところ狭しと並び、既に人であふれていた。ガトーン屋も多かった。数人の小規模なものから、数十人で分業する大量生産のものまであって、伝統的には自分でガトーンを作ったのだろうが、今ではガトーンは買う人の方が多いようだ。私も当然、一つ買って流した。

来てる人は、親子連れとカップルが目立った。

551

ロイガトーンの歌というのもあって、会場で流れていた。陽気で素朴で田舎っぽい歌で、意味がわからなくてもなんだかハッピーな気分になれる歌だ。いい具合に手持ちのデジカメに収めたので、会場の雰囲気を味わいながら、ぜひ聞いてみて欲しい。
http://jp.youtube.com/watch?v=eqSjJih1W1Q


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2007.11.27

タイの結婚式 

友人の結婚式に出席するため、パタヤまで行ってきた。

このカップル、二人合わせて国籍が3つというとってもインターナショナルなカップルだけど、式はタイ式でやった。私もタイ式の結婚式に出席するのは始めてで、タイ民俗学の題材としてもとっても興味深かったので、プライバシーに触れない範囲でレポ。

Wed1_2朝9時スタート。ソイ(小路)の入り口に新郎と参列者が集まり、ちんどん屋パレードがスタート。おかまちゃんが先頭を踊り歩き、音楽隊が盛り上げる。この日のために雇ったらしい。約10分かけて住居街をパレードし、新婦が待つ家へ。

参列者の手にはお菓子類が。袋で包んだような黄色とオレンジ色の揚げ菓子は、金(ゴールド)とお金を意味し、お金に苦労しないようにとの意味。ピーナッツをキャラメルで固めた雷おこしのようなお菓子は、いつでも二人しっかりくっついていられるように、そしてその他の甘いお菓子は、甘い結婚生活を、という意味らしい。

Wed2 家に到着しても、新郎はすぐには家には入れない。友人や親族が2人ずつペアになって、1メートルくらいの紐(鎖だったかも)を張って立ちふさがる。そのたびに新郎は何かを言わされたり(たぶん幸せにします、みたいな言葉)、お金をあげたりしてこの関門を突破し、4つの関門を抜けてやっと家に入れる。

式では、まず新郎新婦が親族の一人ひとりとご挨拶。親族がメッセージを述べると、新郎新婦は「よろしくお願いします」のような感じで深々と土下座のようなタイ式の最大級のお辞儀をする。それに合わせるように親族も深々とお辞儀をするが、このとき「がんばんなさいよ」みたいな感じで新郎新婦の頭に手を触れていた。タイでは成人男性の頭に手を触れることは珍しいのでちょっと驚き。そして新郎新婦から親族へ何かプレゼントを渡していた。

Wed3_2次に、これは一番驚いたのだが、膨大な千バーツ紙幣が円を描くように床に並べられた。これは新郎側が用意した結納金で、儀式ののち、新婦の母がもって行った。

次は友人も含めて、出席者一人ひとりがお清めの水を新郎新婦の手にかける儀式。順番はまず親族、次に既婚者の友人、最後に独身の友人。金色の豪華な器に張られた水にはオーキッドの花びらが浮かべられていて、ここから7-8センチ大の巻貝の貝がらをひしゃく代わりにつかって水を組み、両手のひらを合わせた新郎新婦の手にかけていく。このときお祝いの言葉を伝え、「来てくれてありがとう」みたいなやり取りが交わされる。

続いて寝室に移動しての儀式・・・だったのだが、食べ物につられてタイ人達と共に外に出てしまい、見逃したので割愛。

以上で全てが終わり、あとは軽食など食べながらの歓談タイムだった。11時過ぎに終了。

手作りの、みんなが楽しめる、ホントに気持ちの良い結婚式&パーティーだった。末永くお幸せに! これからも良い友達として宜しくね。

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2007.11.16

世界の文字を全て読む

Vietnam タイ語もなかなか読めるようにならずに苦労している私が言うのも説得力がないのだが、世界の全ての文字を読むのは、それほど難しいことではないかもしれない。世界中に言語はあまたとあるが、文字は数えられるほどしかないからだ。

まず世界中で一番通用している文字はラテン文字(ローマン・アルファベット)だ。西欧、中欧の言語のほとんどはこの文字で表記され、植民地支配の影響で、アメリカ大陸の全部、アフリカ大陸のほとんど、そしてマレーシア、インドネシア、ベトナムなどアジアの一部でも自国語がラテン文字で表記されている。声調やら子音やら母音やら言語ごとの特殊性を表記するために、いろんな付加記号ができている。

Greek

ラテン文字の兄弟にあたるのが、ロシアや東欧で使われているキリル文字だ。両者はともにギリシャ文字から派生しており、文字も構造も良く似ている。文字数も少ないので(ロシア語で33文字)、勉強すればすぐ覚えられるだろう。



Persiaイスラム圏で使われている右から左に書くの殴り書 きのような文字が特徴のアラビア文字というのもある。これは子音28文字を基本とする表音文字で、アラビア語はもちろんだが、系統が違うイランのペルシア語やインド・パキスタンのカシミール語、パンジャブ語などもアラビア文字で表記する。イスラム教が普及した地域の多くで自国語をアラビア文字で表記している。もちろん、発音記号や母音など独自の付記記号はあるようだ。

Burma

インド系文字(ブラーフミー文字とその派生文字)もいろんな国で使われている。インドの諸地域はもちろん、 カンボジア、タイ、ビルマなどの東南アジア、そしてチベットもそうだ。これらの言語はそれぞれ全く別ルーツなのだが、文字を持たなかったため、インド文字を借用してそれぞれ自国文字にしたようだ。だから例えばタイ文字とデーヴァナーガリー文字(ヒンドゥー語を表記する文字)を比べると、形が似ているものも多いし、五十音順も似通っている。子音が40程度、母音は(二重母音などで微妙に変化するものを合わせて)20-30というところか。一つの言語を極めれば、他の言語にも応用が利きそうだ。



Han そして忘れてはならないのが漢字だ。中国、台湾その他東南アジアの華人エリアの多くで使われており、そして日本や韓国でも使われている。


その他、上記に分類しにくい文字として、日本語のひらがな・カタカナ、朝鮮のハングル、エチオピアのアムハラ文字、アルメニアのアルメニア文字、イスラエルのヘブライ文字、モンゴルのモンゴル文字などがあるが、主要なものはほぼこれで網羅されているだろう。


特筆すべきは、上記の文字は漢字を除いて全て表音文字であること。そして、表音文字の中でも日本語のひらがなとカタカナを除いて、残りはすべて子音と母音を組み合わせて表記する文字であることだ(音素文字というらしい)。音素文字はいわば発音記号みたいなものなので、法則さえ覚えれば読めるようになる


さて、もう一度振り返ってみると、世界で現在通用している文字は、(1)ラテン文字とその兄弟分であるギリシャ文字&キリル文字、(2)アラビア文字、(3)インド系文字、(4)漢字、(5)その他、と大きく分類できそうだ。

さて私自身はというと、(1)についてはラテン文字は読める(ただしギリシャ文字・キリル文字は全く不勉強)、(2)アラビア文字は全くわからない、(3)インド系文字はタイ文字を勉強中、(4)漢字は読めないが意味はわかる、(5)日本文字OK、ハングル文字はかじったことがある、といったところ。このままタイとマレーシア(アラビア文字も馴染みが深い)を拠点にあと数年暮らしていれば、(5)のいくつかを除いては、概ねカバーできるんじゃないかと思ったりもする。

もっとも、文字が読めても意味はわからないので、せいぜい旅行に行ったとき看板の地名を読むことくらいにしか役に立たないかもしれないけど。

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【参考サイト】
中西印刷株式会社 世界の文字 
世界の文字で遊ぼう
   ※一部の看板の写真などはウェブから拾ってきたものです。御礼申し上げます。

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2007.11.14

リンギット・マレーシア紙幣

Rm1

紙幣の図柄にはその国の特色が出ていておもしろい。普通は民族の歴史的事件や建造物や偉大なる人物の肖像画が図柄になる場合多いが、マレーシアのリンギット紙幣はちょっとユニークだ。

  • 100リンギット:プロトン自動車生産ラインとエンジン
  • 50リンギット:ペトロナス社の海上石油掘削基地
  • 10リンギット:クアラルンプールのプトラLRT、マレーシア航空機、マレーシア国際海運(MISC)の貨物船
  • 5リンギット:クアラルンプール国際空港とペトロナスツインタワー
  • 2リンギット:クアラ・ルンプール・タワー(Menara Kuala Lumpur)と人工衛星MEASAT
  • 1リンギット:キナバル山と「ワウブラン(三日月)」型の凧

ご覧の通り、科学技術をとことんアピールしている。こんなところにも、この国の目指す方向性が見える。

あるいは見方を変えると、マレーシアは多民族・多宗教国家なので、特定の民族に肩入れしない図柄というのは意外と難しく、むしろ科学技術が多民族の紐帯の役割を果たしているのかもしれない。

なお表面は、全て初代国王様の肖像画になっている。

Rm2

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2007.11.12

父系制と母系制

Nouson 文化人類学上の用語で、父系制(父系社会)母系制(母系社会)というのがある。その社会の社会構造が、父方の家系を中心に出来上がっているのか、母方の家系を中心としているのか、による区別だ。具体的には、以下のような要素がものさしになるようだ。

  • 出自・血筋のたどり方
  • 地位の継承
  • 財産の相続
  • 結婚後の夫婦の居住場所

戦前日本の「家制度」は典型的な父系制だ。現在でも日本は、名字、お墓、親族関係など、どちらかといえば父系的な社会だ。

タイは母系的だ。

伝統的にタイの農村では、結婚後カップルは嫁方の実家のすぐ近くに家を構えてもらって住む。日本風にいえば婿を取るような感じだ。つまり、代々娘の系譜を通じて、文化が継承されていく。Taue

親族関係については、この暖かい土地では農作業は過酷なものではなく、人口に比して土地も有り余るほどあったので、あまり家族や親族で固まる必要はなく、おおらかななものであったようだ。この点は、一族間で固まってしかも本家と分家で主従関係さえできてしまう日本の武家社会や、華人社会における一族の絆のようなものとは全く異なる。

面白いのは、親の面倒を誰が見るのかという点。日本の家制度では家督を継いだ長男とその嫁の役割になるわけだが、タイではそれは末娘と婿の役割だ。この風習は現在でも残っていて、末娘が結婚する際には、親の近くに住めるかどうかというのもとくに重要な要素になるらしい。日本の家制度が長子、しかも男を中心としているのに対し、伝統的なタイの家族制度は末子、しかも娘が中心、と対極にあるところが面白い。

財産の相続についてはまだ調査不足なのだが、現在においては、子供たちの間で平等に分配される。

名字については、結婚後は男性姓に変えるのが一般的だ。この点は父系制的に見えるのだが、名字は近代以降西洋文化を真似して創設したもので、それまではタイ人の多くは名字を持たなかった。現在でも名字を使うのは役所の書類くらいで、社会生活上重要な役割を果たしていない。日常では圧倒的にニックネーム(チューレン)だ。次いでファーストネーム。友人の名字を知らないというのも珍しくない。

とまあ、タイの農村は伝統的にこんな母系制だ。日本とタイ、共に稲作文化の国なのに、このように違った展開をしてきたところが面白い。

なお、父系制だから父権的(男の権力が強い)、母系的だから母権的、とは必ずしもならない。母系的な社会でも、権力は男性が握っているケースも歴史上多々ある。

タイの場合、家庭の中では伝統的に男性が威張っているようだが、女性の社会進出が進んでいるため経済力は女性が持っている場合も多く、私の感覚的には、6対4で女性の方がやや優位な気がする。

※写真はイメージです。
※2007/12/15一部訂正。

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2007.11.07

神道ってなんじゃらほい

Isejingu 11月から大学は二学期に入り、授業科目が変わった。今日は「タイの宗教、カルト、慣習」という授業に出席。

この授業で、タイの宗教と比較したいとうことで、いきなり日本の宗教の説明を求められた。「大乗仏教と神道があってね・・・」としどろもどろに切り出したが、大乗仏教はタイ人もそれなりに知っているので、神道について説明をすることになった。

困ったことに、神道についてはほとんど知識がないのだが、ない知識を寄せ集めで以下のようなことを話した。

  • 神道は日本古来の伝統的な宗教である。日本以外での信仰はまずない。
  • 八百万の神と言って、川に、山に、家に、道具に、つまりどこにでも神がいるアニミズムである。
  • 天照大神という太陽の女神が最高神とされている。
  • 排他的ではないので他の宗教と共存できる。現に私も、一応 Shintoist であると同時に大乗仏教徒でもあるが、そのことにつき誰も文句を言わない。
  • 神の前では清らかであることが大切で、Purity というのが教義の一つのキーワード
  • イスラム教のような、毎日の生活の中の儀式はない。

嘘は言ってないと思うが、たぶん伝わらなかっただろうな。仏教と比較してどうとか、イスラム教と比較してどうとか言わないと、神道のユニークな、というか、外国人が考える「宗教」との違いは伝わらないだろうし、誤解を招いてしまう。皇室神道の順位であるアマテラスのことは言わない方がよかったか。もっとも一番の問題は、発言者も神道の本質をよくわかってないことだ。

以前、授業中に禅の説明を求められ、ろくに答えられなかった時にも思ったのだが、私はタイ文化の勉強をする以前に、日本文化をもっとしっかり勉強すべきかもしれない。

いずれ授業でリベンジしなければと思いウェブなどを調べては見たのだが、それでもよくわからない。明確な教義や経典がないので、皆が好き勝手に解釈しているし、ただの民間信仰の寄せ集めを神道と呼んでいるようでもある。これは困った。

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2007.11.05

クアラルンプールの建築物

Klbldg2

クアラルンプールには、イスラム様式を取り入れた美しいビルが多い。街を歩いていて、感心してビルを見上げることがしばしばだった。



Klbldg1





Klbldg3pt

KLのランドマーク、ツインタワー(ペトロナスタワー)。市内のどこからでも見えて、これともう一つのランドマーク、KLタワーを見て、現在位置を確認することができる。ツインタワーを建築したのは、実は日本のハザマと韓国のサムソン物産で、一塔ずつ受け持った。

Klbldg4ptnight_2

夜はこんな風にライトアップされ、最高の夜景を提供する。

写真を撮れなかったが、壁面にイスラムの幾何学模様を取り入れたシェラトン・インペリアルホテルや、重厚なマンダリンオリエンタルホテルのビルも素晴らしかった。

クアラルンプールの新都心は、土地に余裕をもって作られているので、大都会でありながら、見上げるだけの空がある。そしてそこに美しいビルがたつ。緑や公園も偏在しており、近代都市はこうありたい、と思わせるお手本のような都市づくりだ。

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2007.11.04

メッカの方角を知る方法

Corner_2 いつでもどこでも毎日5回、イスラム教徒はメッカ(正確にはメッカにあるハラームモスクのカーバ)の方向を向いてお祈りをささげる。しかし、いったいどうやってメッカの方角を知るのだろう

もちろんモスクの中には方角を示すものがあるのだが、家ではどうするのか? この点、プーケットに住むイスラム教徒は真西の方角を見れば良いらしく、日没の方向に向かってお祈りしている。

マレーシアで泊まったホテルでは、天井に「KIBLAT」と書かれた矢印が貼られているのをよく見た(写真)。これは非常口ではなく、お祈りすべきメッカの方角を示したものだ。

だがイスラム教徒がイスラム圏以外を旅行する場合はどうすればいいのだろうか? そんな人のためだろうか、雑貨屋でこんなものが売られていた。

Mcompass_5

ご覧の通り真ん中にあるのは普通の方位磁針だが、外周に角度盤と矢印のような塔がついている。このコンパスには、世界中の地名と角度を示した小冊子が付いている。

Degrees

小冊子を見ると、例えば日本の京都なら100度と書いてある。これはつまり、京都からだとメッカは磁北から100度西の方角であることを意味する。なので、方位磁針の赤い針(北)と、外周の100が一致するようにコンパスを回すと、そのとき塔が示した方角がメッカの方角になるコンパスなのだ。ちなみにクアラルンプールは85度、バンコクからは90度、ロンドンからは250度だった。

なるほど、これは便利だ。ところでこの外周盤を見直してみると、一周は360度ではなく400度になっている。なので我々の基準と比べると、1度の大きさは360/400、つまり9/10=10%減だ。なぜ400なのかは全くわからない。また一つ調査課題ができた。

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2007.11.03

タイとマレーシアの文化差とロングステイ

Kl1マレーシアのクアラルンプールに一週間滞在し、プーケットに戻ってきた。行く度に思うが、タイとマレーシアは、隣同士のくせにあまりにも違う。

共に東南アジアの国で、気候も温暖で海があり物価が安いという共通点があり、生活インフラも整い、ロングステイの人気の渡航先でもあるのだが、この二つの国の違いは、スペインとポルトガルの違いとか、アメリカとカナダの違いとかのレベルではない。全くの異文化の国、と言ってしまって良いだろう。

まず人種が違う。タイにはわりと小柄な人が多く、肌の色も日本よりは黒いとはいっても相対的なレベルだが、人種のるつぼのクアラルンプールでは、割と小柄なマレー人や華人だけでなく、サモア人のような巨大な人や、肌の色が真っ黒なインド人も多く見かける。Kl2

次に宗教が違う。だから食べ物が違うし(マレーシアでは華人エリアを除き豚料理をほとんど見ない)、服装が違う(イスラム女性はスカーフをかぶるし、民族衣装の人も多く見かける)。

そして言語が違う。タイ語はどちらかといえば中国語に近くシナ・チベット語族に属し、マレー語はオーストロネシア語族に属する。言語学的に親近性はないとするのが通説だ。

どちらの国も面白いし、いい国なのだが、日本人にとってはマレーシアの方がハードルは高いと思う。海外生活にあたっては、言葉の壁と文化の壁という二つの壁があるが、タイは言葉の壁は高いが文化の壁が低いのに対し、マレーシアは言葉の壁は低いが文化の壁が高いからだ。

言葉の壁という点では、タイ語にはタイ文字、声調、有声音と無声音、長母音と短母音の区別などの日本人にとって過酷な壁がある。タイ国内の英語の通用度もまだまだだ。それに対しマレーシアでは、マレー語は文字はローマン・アルファベット表記だし発音も難しくない。英語の通用度もかなり高く、街中の人たちと英語でもそこそこ込み入った話ができる。

Kl3_2ところが文化の壁の面で、マレーシアは日本人にとっては壁が高い。イスラム教とその生活習慣や、インド人とその生活習慣は、多くの日本人にとって全く経験したことがない初めて目にするものになるだろう。そこそこマレーシアにも慣れた私でもまだ威圧感を感じることも多い。ただし華人エリアは別で、漢字も中華料理も観音様もそこにはある。他方、タイ文化の場合は、仏教文化、礼儀正しさ、王室尊重の習慣など、日本人にとっては親近感があり、受け入れやすい。文化の壁は低いのだ。

ロングステイ先選びにあたっては、この辺のことも理解しておきたい。

#写真は全てクアラルンプールの市内での撮影です。1枚目・銀行、2枚目・電車を待つ女学生、3枚目・救急車(赤十字ならぬ赤新月マークが見える)。

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