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2007.09.28

二種類のタイの歴史

Gpb一般にタイ人は、タイの歴史をこう語る

「タイ人の祖先はもともと中国南部やベトナム北部にいた民族で、だんだんと南に下りてきて、13世紀にクメール君主を倒してスコータイ王朝ができ、14世紀にアユタヤ王朝ができ、繁栄したが、18世紀にビルマに攻め込まれ、アユタヤが陥落、混乱の後タクシン将軍がトンブリー王朝を築き、これがチャクリー王朝に継承され、現在に至る。」

面白いと思うのは、 ここにはタイ人が入ってくる前のタイの先住民の話がないことだ。この土地には2世紀にはインド文化が入ってきていたというし、現在のタイの東北部はクメール王朝(9世紀~)の支配下にあった時代もあった。また、タイ深南部は言うに及ばず、タイ南部のナコンシータマラートなども14世紀までは完全にシュリーヴィジャヤ文化圏(インドネシアベースの海洋貿易国家)だったのだが、それらには触れられない。つまり、タイの歴史を語るのに、現在のタイの国土の歴史を語らずに、タイ民族の歴史を語るのだ。

一般に日本人が日本の歴史を語るときは、日本の国土(日本列島)を念頭において、日本民族の歴史を語る。日本の場合はほぼ国土と民族が一致するので、国土の歴史を語れば民族の歴史になるし、民族の歴史を語れば国土の歴史になる。

だがタイの場合は領土も増えたり削られたりの繰り返しなので、国土の歴史を語るとするならば、タイの土地に存在してきたインド、カンボジア、ミャンマー、インドネシア文化についても語らねばなるまい。国土から見た時のタイの歴史は、民族から見たときのタイの歴史と大きく異なるのだ。

この事実に気がついたとき、なんだか目からウロコが落ちる思いだった。世界には、日本のような国の方が少ないのだろう。

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コメント

こんにちは。最近、新書で「タイの歴史」の本が出て、読んでいます。著者の方は中学校時代をタイで過ごして、その後、タイの鉄道で学位論文を書かれた方です。知らないことばかりなので、なかなか頭に入りませんが、来週、タイからお客さんが来るので、少しでも学んでおきたいと思っています。
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/412101913X/249-8578340-7971541?SubscriptionId=15JBHWP7TH9QYT1RMHG2

投稿: KADOTA | 2007.09.29 07:53

いい情報をありがとうございます。これは買います。
新書で出てくれるとホントに有難いですよね。

投稿: ftrain | 2007.09.29 14:13

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