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2007.09.23

大航海時代の航海~羅針盤と地磁気

羅針盤 先日から大航海時代の航海について書いているが、素朴な疑問がわく。当時の人たちは、どうやって航海に必要な方角を知ったのだろう。

まず、星空は利用したであろう。夜空見上げて北極星が見つかれば、それが北の方角だ。北がわかればその反対側が南で、90度ずれたところがそれぞれ東と西だとわかる。

だが昼間はどうだろう? 太陽は動くが、方法次第では多少は方角を知る役に立つ。この点はまた次回書くとして、まずはより一般的に使われたであろう、羅針盤、いわゆる方位磁針(コンパス)について考えてみたい。

方位磁針とは、磁石を自由に回転できるようにした道具だ。磁石が地球の地磁気に反応して、N 極が北(磁北)を、S極が南(磁南)を向く。方位磁針の発明者は中国人のようで、紙、火薬、活版印刷と並んで中国の四大発明の一つといわれている。ヨーロッパにはアラブのイスラム商人などを通じて伝わったようだ。

偏角図方位磁針を航海に用いるにあたっては、大きな問題が一つある。それは、方位磁針が指す北は、北極点ではないのだ。方位磁針はあくまでも地球の磁場の北(磁北という)を指す道具なのだが、磁北は2007年現在、北緯84.1度、西経123.7度の場所にある。このため、方位磁針が指す方向と北極点との間には誤差がある(偏角という)。この誤差は緯度が上がれば上がるほど大きくなり、赤道付近では0-10度未満だが(これでも航海するにあたってはとても大きな誤差だ)、例えばアメリカ西海岸では10-20度にもなる(図参照)。さらにこの磁北は固定点ではなく、毎年かなり変化している。

さらに厄介なことに、磁北以外にも方位磁針が反応する「偽磁極」とも言うべきものもあり、日本ではシベリアにある偽磁極に引っ張られて、方位磁針は北極点よりも6-10度西にずれた方向を示す。

要するに、羅針盤(方位磁針)単体では正確な方角を知る道具としては限界があり、航海にあたっては、場所ごとの偏角を記した地図も必要ということだ。だが、16世紀当時、それほど正確に偏角を測ることができたとも思えないので、陸の見えない地域での航海は博打のような要素もあったであろう

そして当時の船は帆船だから、距離を稼ぐために、風向き次第では陸から離れて大海原を航海する必要もあった。来る日も来る日も陸が見えず、乗組員たちの不安と不満は高まり、食料は徐々に少なくなり、しかも嵐になれば転覆の危険もある。そんな中、ヨーロッパからアフリカ、そしてインドや東南アジアまで来た船員達を、大いに尊敬する。

[※参考]
http://swdcwww.kugi.kyoto-u.ac.jp/poles/polesexp-j.html
http://www.aist.go.jp/GSJ/~okuma/amag/geomagcomps.html

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