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2007.08.19

タイ新憲法草案の国民投票

3004561601 実は本日はタイの新憲法草案の国民投票日。 昨年9月のクーデターの後、暫定政権がすったもんだ しながら作り上げた新憲法草案だ。

一般に日本人は、タイの民主主義は日本より遥か遅れていると思っている。それは事実なのだが、 日本でも憲法を国民の信任投票にかけたことはないので、この点は一歩先を越されたわけだ。

さて肝心の内容だが、本格的なものはタイ語の資料しか見つからず、タイ語を解さない私はあんまりフォローできていないのだが、日英のニュースサイトによると、以下のような内容らしい。原文を見ていないので真偽は保証しないし、これで重要事項が網羅されているわけでもないだろうが、参考まで。

(1) 国王を元首とする民主主義制をとる。
(2) 上院定数を150とし、うち76を全76県から1人ずつ選挙で選出。74を各界から任命する。
(3) 下院定数を480とし、400を中選挙区で選出、80を比例選出とする。
(4) 首相は下院から選出し、首相のほか35人以下の閣僚で内閣を構成。首相の連続任期は最長8年に制限。下院議員の5分の1以上の連名で首相不信任案を提出できる。
(5) 軍部が制定した暫定憲法に基づく法規を合憲とする。 3004561502
(6) 国家の独立を保持するため、国軍に現代的、かつ十分な武器、装備、技術を供給する。
(7) 国民の大半が信仰する仏教をはじめ、すべての宗教を保護する。
(8) 国民は等しく12年以上の基礎教育を無償で受ける権利を有する。
(9) 共同体を構成する人々は、地域および国の習慣、伝統、知恵、芸術、文化を保護、復旧し、また、
持続可能でバランスの取れた方法によって自然環境と自然資源を管理、保全、利用するのに参加する権利を享受する。
(10) すべての国民は法の下に平等であり、女性、男性、その他の性的アイデンティティを持つ者は、等しく権利を享受する。

タクシンの「独裁」を許した反省から、(3)小選挙区制を中選挙区制に変更し、巨大与党の出現を抑制し、(4)首相の任期を8年に制限するとともに、首相不信任決議案の提出の要件を緩和しています。

3004561203 (5)は経過措置的な規定ながら議論の多いところ。
(6)は「現代的な」「十分な」「技術」という単語が1997年憲法の条文に追加された。軍事予算の増加につながる、と議論の多いところ。
(7)は、仏教を国教として明記するよう、仏教団体から強力なプッシュがあったものの、結局こういう形で落ち着いた。
(8)は1997年憲法から変わらず。日本より長い。
(9)は前段で文化と伝統の保護・復旧をうたい、後段で環境権やその意思決定に参加する権利をうたっている。これは日本の憲法にはない。
(10)はトランスジェンダーの多いタイならではの規定。憲法に書いちゃうところが素晴らしい。


【参考】
http://www.toonippo.co.jp/news_kyo/news/20070706010005981.asp
http://www.nationmultimedia.com/search/page.news.php?clid=5&id=30039514

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