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2005.09.21

フェアトレード

近時、これからのライフモデルの開拓の一環として、いろいろなところに出没している。今日は、「フェアトレード」を行っている自由が丘のPeople Treeという団体の報告会を聴きに行った。

フェアトレードとは、途上国の人々が生産したものを、公正な商取引で輸入・販売することにより、彼らの貴重な現金収入の道を開いたり拡大して、経済的自立を促進するという活動と言われる。が、どうも実態がよくわからない。それと、自分ら以外の貿易が全てアンフェアだと言わんばかりの、「フェアトレード」という総称が持つ響きは好きではない。
 しかしながら、多くの人たちがこの分野で熱心に活動している。その魅力はなんなのか。貧しい農村の生活支援という目的に対し、現実に結果を残しているのか。ビジネスモデルとして成立しているのか。その辺のところの情報収集が今日の目的である。

短い時間で得た知識なので誤解もあるだろうが、以下私なりに簡単にまとめてみる。

◆フェアトレードとは?

フェアトレードの一般的な定義は先に載せたが、ありていにざっくり言うと、途上国の農村で作った衣料品や工芸品などを、先進国の消費者に売るというビジネスモデルだ。 

農村から出稼ぎに来なくてもいいように、農村での雇用創出に力を入れている。そのため、高価な生産手段を必要とするような生産物ではなく、手編みの籠や手織りの布といった手作業でできるような商品の生産が中心となる。また生産物は買い叩くことなく、より良い価格で購入している。個人的には、フェアトレードというよりも、雇用創出運動、あるいは産業創出運動という方が的を得ているような気がする。

フェアトレードの構成員は、現地の生産者と、先進国で商品を販売する企業(あるいはNGO)、それから両者のマッチングを行ったり、現地に張り付いて様々な支援活動を行う先進国NGO団体などからなる。今日行ったPeople Treeという団体は、先進国で商品を販売する企業である。自由が丘と表参道に店舗を持つほか、カタログ販売も積極的に行っている。また現地に張り付いている先進国NGO団体は、そのバックグランドも国籍も実にいろいろなのだが、他にも現地の農業面、衛生面、教育面などの支援活動や、小規模の融資など多様な活動を行っており、その中の一活動と位置づけるのが良いようでもある。

◆ビジネスモデルとしてどうなのか?

いびつな構造が一つある。それは、先進国での販売価格がやや高いことだ。その理由は、そもそも生産者の生活支援が目的なので、仕入の際に買い叩かないことも一因だが、それ以上に、商品が手作業による少量生産のため、生産面でも輸送面でも規模の利益があまりでないことにあるだろう。大量生産、大量流通を経てたとえばダイソーなどの100円ショップや民族雑貨店に並ぶ同種の商品よりはどうしても高くなる。価格が高いのを承知で、先進国の消費者が理念に共鳴して「買い支え」ている部分があるが、価格を消費者に転嫁するようだと今後の成長はあまり見込めないだろう。
 
また、品質面も問題だ。そもそも雑貨生産のプロではない途上国の農村の人たちに、日本の消費者の納得するような品質を求めるのはなかなか難しい。

かといって、地方都市に労働者を集めて工場で大量生産などを行っては、そもそもの理念から離れてしまう。価格と品質の2点は、フェアトレードをより広く展開していくには、解決せねばならない構造的な問題だ。言い換えれば、値段が高くても消費者が喜んで買うような商品を供給していくことがフェアトレードの生命線だ。

People Treeが、自由が丘と表参道という日本で最もセンスと品質が問われるエリアに出店しているのは、ハイセンスで高品質な商品を生産するためのアンテナショップという意味もあるのだろう。

◆目的に対して結果を残しているのか

生産が比較的小規模なので、商品の一つ一つに、誰が編んでいるカゴ、誰が織っている布、というように顔が見える。そして商品が売れ続ける限り、People Treeから生産者に発注が行き、彼、彼女らの収入が保証される。例えば教育支援などの中長期的な活動とは異なり、彼らの今日明日の現実の生活を支えるという、差し迫った課題に対して結果を残している。

◆携わる人にとっての魅力は何なのか?

本日の報告者の顔には充足感が、その上司格の人の顔には活動に対する自信が見られた。何よりも現地の生活を支える一翼を担っているという自負があるからだろう。付随して、事業を行う中で、全くの異文化に触れることができ、また東京など都市生活では味わえない農村生活を体験できたりするのも魅力だ。

以上、フェアトレードに関し自分の理解を簡単にまとめてみた。

崇高な理念の下、難しいビジネスモデルながらきちんと利益を出し、現地の生活を支え、情報発信を行っているPeople Treeという団体にはあらためて敬意を表したい。

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06 - 政治・経済・社会」カテゴリの記事

コメント

TBありがとうございました。
People Tree のワークショップではご一緒させていただいたようで……。
私が生活の片手間に勉強をしているのに大して、ライフモデルとか仕事の関係での調査なんですね。恐れ入りました。

すでにご存知とは思いますが、「ふぇあうぃんず」という(今となってはネットだけの)ショップのHP:http://mscience.jp/index2.htmや、そこのメルマガが事業としてやっている側の苦労話などがあって、何かの参考になるかもしれません。

事業としてフェアトレードをやっていくのは結構大変らしいのですが、一部商品でもそういったものを扱ってくれるお店が増えることを期待しております。

投稿: horricane | 2005.09.24 17:48

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