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2004.02.11

日本人は仏教徒? Vol.1

 バンコクの宿はとりあえずカオサンのどこか。8年ぶりのタイだが、ここに来る度に、カオサンエリアはまるで西洋人の植民地だ、と思う。西洋人向けの宿やレストランやみやげ物屋が並び、生活は英語だけで事足りる。道を行く人の多くは西洋人で、我々日本人に比べればゆっくりと旅を楽しみに、というかリゾートに来ているような人が多く、昼からカフェでビールを飲み、プレミアリーグのサッカーか西洋映画を見ていたりする。もちろん日本人(これは西洋人と違いほとんどがバックパッカー)も多いが、イギリスやオーストラリアからの集団移民に比べれば誤差くらいの数だ。
 
 自然、彼らとよく話すのだが、一応旅行者同士なので、「xx寺院に行ったか」という話から、自然と「あなたの宗教は?」という話題になる。当初は律儀に、「仏教の影響も強いけど、日本固有の神道という宗教もあってね、これらが混ざり合って日本の宗教を形成してるんだよ」などと答えていたが、面倒くさい。西洋人の反応もあまり良くないので、ここはやはり聞き手のレベルに合わせて答えないといけないと思い、いつしか一言「仏教徒」と答えるようになっていた。けど私は仏教徒なんだろうか? なんか自信ないぞ。

 いろいろ考えていて、そもそも「あなたの宗教は?」という質問が曲者であることに気がついた。まず「宗教」という言葉の定義が難しいうえに、その質問の趣旨は厳密に「~教徒」という答えを求めている場合もあれば、あなたの属する文化的背景を教えてくれ、という趣旨の場合もあるだろう。さらに、仮に後者の意味の質問だったとしても、仏経典の一冊も読んだことがなく、釈迦の話だって手塚治虫のマンガで読んだくらい、年始の初詣だって神社でもお寺でもどっちでも無頓着、そんな私も仏教徒といえるのか。まあ、一つ一つ片付けていこうか(骨が折れる作業だな)。

 まず宗教の定義。gooの三省堂大辞林第2版によると、宗教とは「(1)神仏などを信じて安らぎを得ようとする心のはたらき。また、神仏の教え。(2)〔religion〕経験的・合理的に理解し制御することのできないような現象や存在に対し、積極的な意味と価値を与えようとする信念・行動・制度の体系。アニミズム・トーテミズム・シャーマニズムから、ユダヤ教・バラモン教・神道などの民族宗教、さらにキリスト教・仏教・イスラム教などの世界宗教にいたる種々の形態がある。」とある。

 なんかピンと来ない定義だ。キリスト教やイスラム教など、神と人間の間に緊張関係のある宗教と仏教を並列に並べているところも平面的だし、「神仏などを信じて~」とか「経験的・合理的に理解し制御できない現象や存在~」と定義してしまうと、現代人の多くは国の東西を問わず無宗教になってしまう。だけどタイ人は自分を仏教徒というし、インド人はヒンドゥー教徒という。更に、イスラム教のように生活様式に宗教が強く入り込んでいるものもあれば、仏教(大乗系?)のように比較的宗教生活と現世の生活が分離できるものものある。
 これは辞書の編者が間違っているわけではなく(あまり上手なまとめ方とは思えないが)、そもそも「宗教」という一つの同じカテゴリに入れてはいけないものを入れようとしてるのだと思う。
 だからこれ以降は、宗教の定義などの議論は学者に任せておくことにして、私は「私の属する文化的背景ってなんなのだ」という点を考えてみたい。
 
  

 

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