カテゴリー「08 - 孝現学」の記事

2010.02.22

シャンパンを飲むヘビの正体

Hebi

ビエンチャンの街を歩いていてシャンパングラスにとぐろを巻いて襲いかかろうとしているヘビの看板を発見。一体ここは何屋さんでしょう?


Hebi2


このシャンパンを飲むヘビの看板をかかげるお店は、薬屋さんでした。

でも、なぜヘビが薬なんだろう? しかもラオスに?
調べてみると、このヘビと杯の正体は、
アスクレピオスのヘビヒギエイアの杯というそうだ。
アスクレピオスはギリシャ神話で医術の神、ヒギエイアはその娘。
ヘビは脱皮して再生することから、医術のシンボルマークになっている。
杯はヒギエイアが聖蛇に餌をやるときの器なんだとか。

ルーツはわかったけど、なぜギリシャ神話のアイコンがラオスに来てるのか。
面白いことに、文化や言語に共通点が多い隣国タイでは
この看板は使われていないので、タイとラオスの歴史の違う部分
がルーツになっていそうだ。

つまり、ラオスを植民地支配していたフランス経由であるか
(タイは植民地支配されなかった。影響もイギリスの影響が強い)、
社会主義国つながりでロシア経由であるか
(タイは資本主義国でベトナム戦争特需で大いに経済成長した)。

フランスはギリシャ=ローマ文明の影響が強いので、おそらく
フランス経由で入ってきたものと推測した。


けどそれなら、ギリシャ=ローマ文明の影響を強く受けた国々の
薬局ではこのマークが使われてるに違いない。

そう思い Google Image で画像を拾ってみると、面白い画像が続々と
見つかった。

Photo

ドイツ(※画像はこちらからいただきました)

Lyon

フランス

Wsu

アメリカ、ワシントン州立大学の薬学部

Egyptalexandria

なんとイスラム圏にまで拡がっていた! この看板はエジプトのアレクサンドリアのもの。なるほど、アレクサンダー大王が治めた土地なのだからギリシャ文化が根づいているのも納得。

Stockphotopro_57230gkj_signboard_of

出所不明ながらAPOTHEKEはドイツ語で薬局の意味らしい。

Symbol_medicine

出所不明。立体的なヘビと杯。

Pharmacygreen

出所不明。

日本では薬局も含めて見たことがないマークだったけど、世界的にはわりと普遍的に使われているマークのようです。

* * * * *

ちなみにラオスで病院マークはというと、やっぱりこれでした。

84

このカドゥケウスの杖の方は世界的にもっとポピュラーで、日本でも病院やら大学やらに使われていますね。以前私がタイで虫歯の治療でお世話になった病院のロゴもこれでした。

Bamrungrad2_2

カドゥケウスの杖についてはこちらの記事も参考にどうぞ。

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2009.01.05

昭和の面影

Showa

「第一軍道」と「師団街道」の交差点の道路標識。そのレトロな響きと軍事国家色に、一瞬ここは違う国?と錯覚してしまう。平和な世の中で良かった。
(京都市伏見区、龍谷大学深草キャンパス前)

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2008.12.12

平等院鳳凰堂

Byodoin

先月末、紅葉を見に宇治の平等院鳳凰堂に行った。

この平等院鳳凰堂、10円玉の表面にもなっており名前は有名だが、行ったことがある人は多くはない。それは場所が宇治にあるからで、宇治界隈は源氏物語を主目的に旅する人にとっては最重要地だが、とりあえず京都へという人には中心部から遠いので外されてしまうエリアだ。そこで三度目、四度目の京都旅行で初めて訪れる人が多いようだ。

作ったのは藤原道長の息子の藤原頼通。浄土教の西方極楽浄土をイメージして作ったのだそうだ。ご本尊は阿弥陀如来。

鳳凰堂というからには鳳凰がなくてはならない。でも10円玉には鳳凰はない。いったいどういうわけだ? と疑問に思っていたが、行ってみたら鳳凰は名古屋城の鯱鉾のように、屋根の両端にとまっていた。

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Mansatsu_2よくよく見てみると10円玉にも屋根の上に点が2つある。どうやら小さすぎて描ききれてないだけのようだ。ただ、その代わりという意味なのか、この鳳凰は1万円札の裏にも登場していた(右写真)。ある意味、日本で一番有名な鳥かもしれない。そのルーツがここだったなんて全然知らなかったけど。





 

Kane_3 こちらは平等院の梵鐘(左の写真)。全面に天人、獅子、唐草文様などの繊細な浮き彫りが彫られ、「姿、形の平等院」として天下の三名鐘の一つに数えられているのだそうだ。現在ぶらさがっているのはレプリカで、本物は宝物殿にある。













実はこの鳳凰と鐘は、切手の図柄としても普段から目にしていたものであることが、この記事を書くために調べていて初めてわかった。なんだか急に親近感がわいてきた。「なんだー、お前らはココに住んでたのか。元気だったかい?」 そんな感覚。

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次に続きます。

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2007.09.16

バンコク大鳥居の正体

Saochingcha2まずは左のバンコクのお寺の写真を見て欲しい。左端に真っ赤な巨大な鳥居のようなものがあるだろう。高さは20メートルを超える。上部に鶏のとさかのようなものがついているが、それをはずせば日本の神社の鳥居とそっくりだ。これと同じものは、タイ南部のナコンシータマラートにもあった(二枚目の写真)。

日本の鳥居とあまりにもよく似ているから、なにか関係があるんじゃないか?という疑問から、調べてみた。

この赤い鳥居はサオチンチャーという。直訳すると「ブランコ柱」の意味だ。

Wikipedia英語版によると、これはスコータイ王国にて毎月行われていた12の王室儀式の一である、「トリ・ヤムパワイ」という宗教儀式に由来するものである。トリ・ヤムパワイはバラモン教に由来する儀式で、バラモン教の次のような物語の再演である。すなわち、

「ブラフマーがこの世を創造し、管理者としてシヴァを送った。シヴァが地球に下りるときナーガ蛇が山々に巻きついて地球を固定しシヴァを助けた。シヴァが地球が安定した物体であることを確認すると、ナーガ達は海に移っていった。」

Swingnakhonサオチンチャーの二本の柱が山を象徴し、地面の円形の土台が地球と海を表すのだそうだ。

この儀式においては、4人の司祭がサオチンチャーにぶら下げたブランコに乗り、前後に大きく揺すってサオチンチャーのてっぺんにおかれたコインの袋を掴もうとするのだそうだ。これが何を意味するのかはよくわからないが、あまりに危険で過去に多くの死者が出たため、1935年以来中止されている。

ところで、日本の神社の鳥居の由来については諸説あるが、機能としてみたとき、日本の鳥居は神の聖域と俗世界を分ける境界として機能している。他方でサオチンチャーにはそのような意味はないので、形は似てるが両者には直接の関係はないであろう、というのが今日の結論です。

[※参考]
http://en.wikipedia.org/wiki/Giant_Swing

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2007.08.07

視力検査

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2005.09.24

カドゥケウスの杖

caduceusご覧の画像は、カドゥケウスの杖といいます。カドゥケウスはラテン語読みで、英語読みするとカデューシャス。ギリシャ神話のヘルメスが持っていたことから、ヘルメスの杖とか
マーキュリーの杖とか言われることもあり、またギリシャ語読みでケリュケイオン(Kerykeion)の杖、という場合もある。

最初荒俣宏さんの著書でこの図像を見たとき、これはモトリー・クルーのアルバムのジャケットじゃないか、なぜここに、と思った。違う、モトリー・クルーがここから取ったのだ。そういえば一橋大学の校章にも、世界保健機構(WHO)のロゴにもこのマークが入っている。ロックバンド、大学、保健衛生、とくに共通性は感じられない。一体コイツはなんなんだ、ということを解明するのが本稿の課題である。

hito02who_logo_en

といっても私はギリシャ神話の専門家ではないし、しかも神話なので諸説ある。そこでより詳しくは専門的なサイトを見てもらうとして、一般的な話にとどめる。

まず、この杖の最初の持ち主はギリシャ神話のアポロンだった。この杖がヘルメスに渡った。ヘルメスが生後半日もたたないうちにアポロンの牛を盗んだのだが、アポロンはヘルメスが亀の甲羅で作った竪琴の方が気に入り、牛は返さなくていいからその竪琴をくれ、と交換することになったのだ。この時、牛と一緒に手に入れたのが牛追いに使っていた杖=カドゥケウスの杖であった。

ところでヘルメスは、オリンポスの神のなかでもずば抜けて利口だった。さらに彼は翼の生えた靴を履いて、風よりも早く走る。こうしたことから、大神ゼウスより使者の役に任ぜられた。彼はその賢さや商才にちなみ、商業、旅行、情報伝達の神として敬われる。(余談ながら、高級ブランドの「エルメス」は昔、旅行カバンを作っていたことから、このブランド名としたらしい。)そしてカドゥケウスの杖はヘルメスそのものの象徴として扱われるようになる。

一方、もう一人この杖を持った人がいる。それがアポロンの息子、アスクレピオスだ。アスクレピオスは医学に秀で、その技術は死者をも生き返らせることができるほどであった。蛇は何度も脱皮を繰り返すことから古来より再生と不死身のシンボル、あるいは強い治癒力の象徴であることから、アスクレピオスのシンボルとして蛇が用いられたようだ。彼は死後天にあげられて蛇つかい座となり、神の一員となり、医学神として敬われるようになる。そしてヘルメス同様、この杖がアスクレピオスそのものの象徴となっていく。

カドゥケウスの杖は、ざっと以上のような意味を持つ。なお蛇が二匹絡み付いているのがヘルメスの杖、一匹絡みついているのがアスクレピオスの杖、と両者を分ける説もあるが、実際の使用例としては混同も見られるので、両者を同じくカドゥケウスの杖としてまとめておく。

こうしてみると、一橋大学がカドゥケウスの杖を校章に使っているのは、一橋大学は商科大学としてスタートしていることから、商業の神にあやかったのだろう、またWHOの方はアスクレピオスにちなんだのだろうと推測できる。

荒俣さんによると、ヨーロッパではもちろん、日本でも例えば銀座の和光の建物の壁とか、商業や通信や医療に関わりのある団体に広く用いられているらしい。このブログを読んだ方、上記以外でも何か見つけたら、ぜひ教えてください。

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